お題箱より:ジルさん×ルーカスさん(BL)
山から帰還した水崎でっす!
いやぁ……本当、駄目です
電波すごく悪いし、何より溶けそう……orz
今回はお題の消化でーーす!
ナツユさん宅の
ジルさんとルーカスさんの
『アレ』に繋がったらいいなって言う小話です
『アレ』ですよ、『アレ』!!ウフフ(*^^*)
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歩き慣れた路地を右に曲がる。そこに一件のバーがあった。
名前は異国語で【マシェリ】――愛しい恋人と言うらしい。見た目は古く、築三十年くらいだろうか。それでいて店内はほんのりと優しいランプが照らし、そこの主人が穏やかな笑顔を浮かべて迎えるのだ。
「こんばんは、ルーカスさん。今夜はお席空いてますよ」
「ありがとう、マスター。いつもの頼んでもいいかな」
「じゃあ、腕によりをかけますね」
本当に同じ男なのだろうかと思う。ここのマスターは正真正銘の男だ。しかし、どう言った理由か女性顔負けの穏やかな物腰をしている。
さらりと伸ばした髪を結い、それを髪留めで留めてアップにする。一見すると女性のように見えないことも無い、憂いを感じさせるように伏せ目がちで。
「熱いですから、お気をつけてくださいね」
あれこれマスターについて考えていると、茶碗一杯の白いご飯に味噌汁。そして最後に添えられたのは、ガーナチャンプルー。ここに来て、一杯の酒を飲む前にまず腹を膨らませる。もはや彼の手料理が目当てと言っても良い。
いつも恥ずかしそうに頬を掻きながら笑うのだ。「ルーカスさんが褒めてくださいますから」と言いながら、美丈夫は子供のように小さくはにかむ。それを見ると、心がちくりと痛むような気がするのは何故だろう。
(ジルが黙ってるなんて珍しいな。僕には関係……無いわけじゃないけど)
この身体は二人でひとつだ。日頃はルーカスが生活や職務と言った日常をこなしている。
問題はもう一人の自分――ジルの存在だ。彼は気まぐれで、呼んだからと言って素直に応じるタイプでは無い。けれど、要所では出てくるのだから根から悪いわけでは無いのだろう。
ガーナチャンプルーで飯を食い、ゆっくりと酒を嗜む。グラスを傾けると、カランと涼しい音が聞こえる。季節は移ろい、じき夏が訪れようとしていた。
天候の変化も目まぐるしいくらいだ。蒸した暑さのある夜だったが、ルーカスが店から出た頃にはざぁざぁと雨が降っていた。軒先で傘を渡され、丁寧に見送られる。
雨音に混じってキーンと、小さくだが耳鳴りがした気がする。それを無視して部屋に帰ろうと、一歩踏みしめた。
その途端に、まったく知らない情報が流れ込む。ルーカスの経験した事なのに、まるで他人事のように感じる。いや、これは他人事だ。だって――。
『へぇ、ボクにしては珍しく冴えてるじゃん。ルーカス』
「ジル……?僕に何か言いたい事でもあるのかな」
うん。気配が頷いた。
マズイ。そう思った時には全てが遅かった。
ほんの一瞬、コンマ単位での気の緩みだった。そこからジルに主導権が移り、自分と言う意識は奥へと押し込まれてしまう。
「あの人のこと、好きでしょ」
『それがどうした』
好きか嫌いかで問われれば好き。好感を持てる。そんな意味合いでしかない。だがしかし、ジルはそれが不満、もしくは不服だと言いたげだ。
傘をさしながらでも僅かに身体は濡れている。帰ってすぐの鏡に映ったのは、酷い表情の自分。自分。自分。どこを見ても、探しても、自分ひとりだ。そこに、確かに彼は――ジルは居るのに。
そんなの当たり前じゃないか。当たり前?その言葉の意味を探してみる。けれど、それは見つからなかった。
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あのね!ナツユさん!!
ジルさん小悪魔かわいいと思っちゃう私がいるんだ
ビビッてないルーカスさんでごめんね
もっとちゃんと資料読むので、色々教えてください!
水崎 拝