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管理者・水崎のブログ

お題箱より:ジルさん×ルーカスさん(BL)

 山から帰還した水崎でっす!

 いやぁ……本当、駄目です

 電波すごく悪いし、何より溶けそう……orz

 

 今回はお題の消化でーーす!

 ナツユさん宅の

 ジルさんとルーカスさんの

 『アレ』に繋がったらいいなって言う小話です

 『アレ』ですよ、『アレ』!!ウフフ(*^^*)

 

 

 

*****

 

 

 

 歩き慣れた路地を右に曲がる。そこに一件のバーがあった。

 名前は異国語で【マシェリ】――愛しい恋人と言うらしい。見た目は古く、築三十年くらいだろうか。それでいて店内はほんのりと優しいランプが照らし、そこの主人が穏やかな笑顔を浮かべて迎えるのだ。

「こんばんは、ルーカスさん。今夜はお席空いてますよ」

「ありがとう、マスター。いつもの頼んでもいいかな」

「じゃあ、腕によりをかけますね」

 本当に同じ男なのだろうかと思う。ここのマスターは正真正銘の男だ。しかし、どう言った理由か女性顔負けの穏やかな物腰をしている。

 さらりと伸ばした髪を結い、それを髪留めで留めてアップにする。一見すると女性のように見えないことも無い、憂いを感じさせるように伏せ目がちで。

「熱いですから、お気をつけてくださいね」

 あれこれマスターについて考えていると、茶碗一杯の白いご飯に味噌汁。そして最後に添えられたのは、ガーナチャンプルー。ここに来て、一杯の酒を飲む前にまず腹を膨らませる。もはや彼の手料理が目当てと言っても良い。

 いつも恥ずかしそうに頬を掻きながら笑うのだ。「ルーカスさんが褒めてくださいますから」と言いながら、美丈夫は子供のように小さくはにかむ。それを見ると、心がちくりと痛むような気がするのは何故だろう。

(ジルが黙ってるなんて珍しいな。僕には関係……無いわけじゃないけど)

 この身体は二人でひとつだ。日頃はルーカスが生活や職務と言った日常をこなしている。

 問題はもう一人の自分――ジルの存在だ。彼は気まぐれで、呼んだからと言って素直に応じるタイプでは無い。けれど、要所では出てくるのだから根から悪いわけでは無いのだろう。

 ガーナチャンプルーで飯を食い、ゆっくりと酒を嗜む。グラスを傾けると、カランと涼しい音が聞こえる。季節は移ろい、じき夏が訪れようとしていた。

 

 

 

 

 天候の変化も目まぐるしいくらいだ。蒸した暑さのある夜だったが、ルーカスが店から出た頃にはざぁざぁと雨が降っていた。軒先で傘を渡され、丁寧に見送られる。

 雨音に混じってキーンと、小さくだが耳鳴りがした気がする。それを無視して部屋に帰ろうと、一歩踏みしめた。

 その途端に、まったく知らない情報が流れ込む。ルーカスの経験した事なのに、まるで他人事のように感じる。いや、これは他人事だ。だって――。

『へぇ、ボクにしては珍しく冴えてるじゃん。ルーカス』

「ジル……?僕に何か言いたい事でもあるのかな」

 うん。気配が頷いた。

 マズイ。そう思った時には全てが遅かった。

 ほんの一瞬、コンマ単位での気の緩みだった。そこからジルに主導権が移り、自分と言う意識は奥へと押し込まれてしまう。

「あの人のこと、好きでしょ」

『それがどうした』

 好きか嫌いかで問われれば好き。好感を持てる。そんな意味合いでしかない。だがしかし、ジルはそれが不満、もしくは不服だと言いたげだ。

 傘をさしながらでも僅かに身体は濡れている。帰ってすぐの鏡に映ったのは、酷い表情の自分。自分。自分。どこを見ても、探しても、自分ひとりだ。そこに、確かに彼は――ジルは居るのに。

 そんなの当たり前じゃないか。当たり前?その言葉の意味を探してみる。けれど、それは見つからなかった。

 

 

 

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 あのね!ナツユさん!!

 ジルさん小悪魔かわいいと思っちゃう私がいるんだ

 ビビッてないルーカスさんでごめんね

 もっとちゃんと資料読むので、色々教えてください!

 

 

水崎 拝